正直者が馬鹿を見る・・・

マンションなどの耐震強度の偽装が社会問題になっています。
私も末端で建築に携わる者の一人ですが、自重で崩れてしまうほどの
強度しかないものや、この地震国日本で震度5程度の揺れで
倒壊するおそれのあるものをまともなように偽装できる業者が
存在していたとは、とてもとても信じ難いことです。


被害に遭っている人たちの精神的なことや今の生活の状況を考えると
せめて補償金くらいはまともに支払って欲しいと思うのですが
不正を働いてしまいそれが明るみに出てしまうと仕事などできる訳もなく
従って補償金の出何処などどこにもなく、“さあどうする”
という矛盾しか残りません。そこで税金が投入される・・・
結局一部の?不正を働く者のために国民が尻拭いをさせられる。
日本という国はいつまで経ってもそんなことの繰り返しをしているような気がしてなりません。


そして被害者に対する補償についてはもう一つ納得の行かないことがあります。
自治体から補償の財源として、保険制度を導入しようという動きがありますが
本来保険というのは、天災に対して相互補助をという考えであるはずです。
この度の問題は100%人災です。疑う余地がありません。
このような場合に対し保険で対応しようということは、わかりやすくいうと
無銭飲食した人にみんなでお金を払ってやるようなものです。
不正を働いて私財を肥やしたような人のために
誠実に一生懸命現場で働く人からお金を徴収することになります。
これは銀行の不良債権を税金で穴埋めしたことと同じです。
一体いつまでこんなことをやっているのでしょう。
そういう考え方があるからこそこんな問題が後を絶たないのではないでしょうか。


そこでまた会社としての方針が、とか日本の国の政治が、とか
社会が・・・などと聞こえてきそうですが、例えどんなに大きな組織であっても
それを動かすのは一人一人の人間なのですから・・・


あらゆる世界で
“正直者が馬鹿を見る”・・・がまかり通っている世の中から
“正直者は馬鹿を見なくて良い”という世の中に
早くなって欲しいものです。


・・・っと、そんなことを訴えたくなる今日この頃でした。m(_ _)m