私が十代の頃、「四里の道は長かった・・・」と始まる、田山花袋・作の
羽生が舞台となっている“田舎教師”という小説を読んだことがあります。
まさか後々この羽生市に住むなんて思ってもいなかった頃です。
ここに越して来た直後はすっかりそのことは忘れていましたが
市役所へ用事があったり、銀行に用事があったりしてその辺を見ているうちに
ここが田舎教師の舞台になった町だということがわかってきて、
その本をもう一度読み返したら、確かに知っている地名が出てくる出てくる・・
主人公のモデルになった人が埋葬されているというお寺を探し出して
勝手にお墓参りしたり、脇役のモデルになった人の記念館もあって
そこへも出かけたり・・・
そんな羽生市の一角、群馬県の県境に近い利根川付近一帯
私が住んでいる地域は5つの字から成っていて
そのうちの1つ“名(みょう)”という地区で遺跡が発見されました!
今年に入ってではありますが、だいぶ前です。
利根川堤防の強化工事を進めるに当たって、工事中に発見されたようです。
それで、工事に先立って発掘作業が行われていまして
今日は見学会があるとのことだったので、主人と行ってきました。
いつもあおぞら市の会場となっている永明寺で祀っている古墳との関係が
深いものと考えられているようです。
普通、位の高い人のお墓に副葬品として作られ扱われるはずの
須恵器の壷が住居跡から、日用品などと一緒に発見され
謎が深まっているようです。
発掘調査をやっている人がガイドとなって一緒に発掘跡を巡りました。
その方の説明によると、
自分がその時その場にいたわけではないので確かなこととは言えないけれど
想像するに・・・という断りの上で
この“須恵器脚付壷”は使われている土がこの辺のものではないのは確か。
関東でもいろんな場所で遺跡が発見されているが、
群馬県の太田市で発見された遺跡で須恵器の窯跡が見つかり
そこで焼かれたものと土の性質が酷似しているとのことで・・・
おそらく、高貴な人の副葬品として太田まで行って調達してきた壷を
差し出す前に、間違って落っことしたか足で蹴ったか?(^ ^;)
ご主人の前に出すに出せなくなってしまい、自分が生活している家の床の
土の中に埋めてしまったのではないかと・・・
それが今になって発見!?
「これはあくまでも私の想像の域を超えませんので、
眉に唾をつけて聞いてくださいね」、と何度も言ってましたが(笑)
これが古墳時代の、須恵器脚付壷(すえききゃくつきつぼ)です!
最初平安時代の住居跡が発見され、発掘作業を行っていたら
深く掘るにつれて、古墳時代の後期のものとわかるものが発見され
その下から古墳時代の前期のもの、そのまた下からは弥生時代のものまで
発見されたとのことです。
その話を聞いたとき、見学していた人達から
「きっとここは、それほど長きに渡って生活できる
住みよい場所だったのでしょうねぇ」という声が聞こえてきました。
奈良、平安時代の住居跡
古墳時代後期の住居跡
古墳時代前期の住居跡
弥生時代の住居跡
今のところはまだまだ発掘途中ですが
もっと深く掘ったら、もしかしたら縄文時代のものも
出てくるかもしれないですよ、ガイドさんは言ってました。
確かに我が家でも庭を掘ったとき、土器の欠片が出てきて
長岡の義父の知り合いの考古学の専門家という人に見てもらったことが
ありますが、関東地方で見られる須恵器の典型的なものの欠片だと
確かめられました。
半年くらい前には、庭で草を取るのに表面をガリガリ削っていたら
古銭が、「チャリ〜〜ン」・・・と音はしなたったけれど(^m^)
出てきたことがあります。
調べたら、坂本竜馬が活躍していた頃に作られていた“文久永寶”という
古銭だということがわかりました。
そんなこんな、私が住んでいる所は
ロマンあふれる村君の町(村)です。