二件目に行った所が渋谷の松涛の「観世能楽堂」の
すぐ隣りの建物だったので、それらしい音が聞こえてこないかと
ちょっと期待したのですが、それらしい音など
全然聞こえてきませんでした。(笑)


能には少しだけ興味があります。
主人の父が謡(うたい)をやっている関係で、薪能(たきぎのう)を
二度ほど観に連れて行ってもらったことがありまして・・・。
薪能は、屋内ではなく薪の灯りを照明に屋外で上演される能です。


私が初めて観に連れて行ってもらったのは
長岡の悠久山で上演された「葵の上」です。
昔すもう場として使っていたらしい場所を利用して仮設の
能舞台を建て、そこで上演されました。
生まれて初めて生で観る能の舞、謡曲


夕焼けの色がまだ空を明るく照らしている間
上演される時を、今か今かと待ちながら
少しずつ夕焼け色が引いていくのを見ながら・・・
時間をつぶし・・・
夕闇の中、点(とも)された薪の灯りで舞台が照らされ・・・


そこへ、腹の底から響き渡るような低音で謡(うたい)が
始まります・・・・・
何とも言えない幽玄な世界を味わいました。


私の場合生まれて初めて観る能でしたので
予備知識が全然無く、能舞台をおもしろく観る方法など
何も知りませんでした。が
父が丁寧に解説をしてくれていたので
内容もよく理解しながら、幽玄な世界に浸ることができました。
未だにあの雰囲気が忘れられません。


ところで
能のときに付ける面(おもて)で「般若」 がありますが
それは女性が怒りを通り越し、怨み持ってしまった時の
気持ちを表しているそうで・・・(^ ^;)
女性を怒らせると恐〜いですね!(笑)
ちなみに
般若になりきらない、その一歩手前の気持ちを表す面も
ありますが、どちらかと言うとそちらの方がリアリティーがあって
より一層恐いような・・・(汗)